私たちの身体には約37兆2千億個の細胞があります。
アニメ「はたらく細胞」の冒頭部分で毎回流れるフレーズです。
私たちはこれまで、理科や生物の授業で「細胞」について学んできたつもりでした。
しかしそれは、つもりだったんです。
若返りを目指すのに、身体の仕組みや「老化」というものを、細胞や遺伝子から理解していないと、自分が何をすればいいのか?が分かりません。
そもそも細胞って何だろう?
今では、ベトナムの大学の医学部の学生に再生医療についての講座をしていたり、若返り研究者として専門的な配信をしていますが、再生医療事業をスタートするまでは、専門的に細胞や解剖生理について学んだことがない、まったくの素人でした。
2019年、幹細胞の医療ツーリズムを仕事にすることになって、まずは幹細胞について学び始めましたが、あまりにも知識がなく、そもそも細胞ってなんだろう?と言うところからでした。
検索して辿り着いたのが、看護学生のための「解剖生理をおもしろく学ぶ」
細胞ってなに?
という問いに、「細胞はたんぱく質の工場です。」という説明がありました。
皆さんご存じでした?私、初耳でした!!授業で何を聞いてたんだろう??
この解剖生理の本を読んで、細胞は「たんぱく質工場」としての機能しかなかったということを改めて知りました。
たんぱく質のことも知らなかった!
たんぱく質って言われたら、お肉や豆類などの食べ物をイメージしてました。コラーゲンやエラスチンも、プルプルとしたゼリー状のもので、ただの固まりのイメージでしたが、そもそも、その認識自体が曖昧でした。
「カラダを構成するたんぱく質」は、イメージの通り、筋肉や骨、臓器、皮膚、爪などのたんぱく質でしたが、実はそれ以外にも重要な役割を担っていました。
摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収されます。その利用のされ方は、筋肉や内臓を構成する体タンパク質となるもの、ホルモンや抗体となるもの、脂肪として蓄積されるもの、エネルギーとして使われるものなどさまざまです。
体内酵素やホルモン(ペプチド)、免疫力の抗体にいたるまで、全て体内に消化、吸収したアミノ酸とペプチドを細胞が必要なものに再合成して、身体の働きを担っていたんです。
これには驚きでした。体内酵素やホルモンはどこかから湧いてくるようなイメージで、身体の中でどうやってできてるのか?なんてことを考えたこともなかったのです。
幹細胞コスメなどで話題の成長因子も細胞が作るペプチドで、酵素やホルモン、抗体の仲間。細胞の受容体に働きかけて、細胞分裂や活性のシグナルを発生させます。
そして、この成長因子のような働きは、たんぱく質を分解して吸収する際のペプチドにも同じ働きがあることがわかりました。
Compr Rev Food Sci Food Saf. 2012 Mar; 11(2): 187–204. Published online 2012 Feb 29. doi: 10.1111/j.1541-4337.2011.00179.x PMCID: PMC7194098 PMID: 32368201 http://Bioactive Peptides: Synthesis, Properties, and Applications in the Packaging and Preservation of Food
ここは、若返りのためにとても重要なポイントなので、また改めて詳しく説明します。
遺伝子はすべてたんぱく質のレシピ
私たちの細胞の中にある「核」には染色体があり、その染色体は2重らせん構造のDNAが折り重なってできています。
DNAの中の約2%の情報が「遺伝子」
遺伝情報が組み込まれたという「遺伝子」は、3万種類あり、その組み合わせで約10万種類のたんぱく質の合成をするためのレシピであり、身体の設計図になっていたんです。
この遺伝子の情報は、ヒトゲノム計画と言われる人間の全DNAの解析の中で明らかになり、どんなたんぱく質(体たんぱく質、酵素、ホルモン、抗体)が作られるのかまで解明されています。
遺伝子検査をすることでわかることは、その人それぞれの「たんぱく質のレシピ」の特徴であり、その設計図で身体的な特徴(見た目だけでなく、身体の機能全て)を把握することです。
遺伝子はひとそれぞれ違う
一般的な美容や健康の情報、厚生労働省の発表する数値は全て「平均的」なもので、全員に当てはまるものはありません。
肥満に関する遺伝子として調べられるのは、たんぱく質分解酵素や(筋肉が付きやすい、付きにくいと言う表現に使われます)、脂質代謝に関わる遺伝子や、糖質代謝に遺伝子などです。
食事はバランス良く食べましょうと言われますが、遺伝子の特徴に合わせて食事の内容を考えなくては、太るだけでなく、身体のバランスを整える事ができなくなり、病気になります。
いつまでたっても生活習慣病がなくならないのは?
私たちが細胞の働きや遺伝子についてを正しく理解する機会がなく、自分の遺伝子にあった食生活、生活習慣を知らないまま、一般的な健康情報で取り組んでいるからです。
若返り・不老長寿は自分の細胞を知ることから。
遺伝子を含む細胞の働き、実は難しいようで簡単でした。なんせ、全てたんぱく質の話だったからです。
細胞や遺伝子の話で出てくるものは、全てたんぱく質。
まずは、この基本をとことん納得するまでお勉強されてくださいね!